紅葉みさき18才!
遥か宇宙の彼方で、どん底まで落ち込んだ
私の青春。
こんな無残なまま終わってしまっていいの?
「ダイバージェンス・イヴ」の続編。居住リングごとワープさせる“エクソダス・プロジェクト”で地球圏へ脱出したウォッチャーズ・ネストのクルーたち。だが、地球は時間障壁に覆われていた…。この時空の迷宮から脱出するための方法を模索するライアーたちの前に、今とは異なる時間軸のみさきが様々な姿で現れる…。
(C)2003 RADIX/Operation EVE
2315年―士官学校に通う傍らアルバイトに励む少女・紅葉みさき。亡き父・紅葉十三と同じ軍人への道を歩み始めた彼女だが、現実の厳しさにぶつかり悩んでいた。そんなある日、みさきが働いているうどん屋に1人の男が現れる。男の名はグレン、みさきの父・十三のかつての同僚であった…。
樹海で行なわれる野戦訓練。そこにはチームを組むみさき、キリ、ルクサンドラ、スサーナの4人の姿があった。そんな中、チームからはぐれてしまったみさきは偶然にもライアーと出会う。だが、みさきが出会ったライアーはこの時代の人間ではなかった。ライアーは時間障壁を越えて異なる時間軸の世界に来ていたのだ。
エクソダス後、本来ならばタイタンホールに出現するはずであったウォッチャーズ・ネストの居住リングは、なぜか地球のすぐそばに現れていた。時間障壁に覆われていた地球からは、グールに酷似した反応が確認される。そして、調査のために地球へ降下したライアーとコトコが見たものは、16世紀末の日本だった。
グールの反応を持つ敵・スペキュラーは、この時代の支配者である太閣のそばにいた。ライアーは太閣暗殺を目論む男・五右衛門とともに太閣の居城へ向かう。だが、ライアーたちの前には、スペキュラーだけではなく、みさきの面影を持つ謎の少女も現れた。彼女はライアーに何かを伝えようとするが…。
検査のため入院したライアーに代わり、地球へ調査に向かうことになったキリは、出発前に偶然別の生き方をしているスサーナと出会う。その後、時間障壁を越えたキリ。そこは昭和初期の東京で、今まさに青年将校たちによるクーデターが行なわれようとしていた。そんな彼らの前に出現したスペキュラーにキリが立ち向かう。
連合軍海上基地でテスト中に事故が起きた。絶望的な状況にも関わらずパイロットは生き残る。パイロットの名前は紅葉十三、みさきの父親だった。そんな中、原因不明の事故が多発していた基地内部へやって来るライアーたち。そして、みさきが歴史を変えようとしていることに気づいたライアーは十三に接触するが…。
プリムの通信を受けたウェルンスたちは量子コアを通じて、元のウォッチャーズ・ネストへライアーたちを送り込む。再び稼動を始めるウォッチャーズ・ネスト。そして、ライアーたちは中心核にすべての原因であるグールとみさきが存在していることを突き止めた。だが、そこへスペキュラーの反応が現れて…。
ライアーたちの前についに姿を現したルブラン。みさきの居場所を知るためにはインテグラル・システムを使うしかない。ルブランの企みを感じつつも、ライアーはその誘いに乗った。一方、メディカル・ルームにいたスサーナは、手術記録から自分が失った過去を取り戻していて…。
キリとライアーの活躍で、みさきは中心核から救い出された。意識を取り戻したみさきはグール撃退の方法を探るべく、ウォッチャーズ・ネストを作り出した「建設者」の遺跡へ向かおうとする。再び中心核へと突入をはかるみさきたち。だが、そんな一同をルブランが監視していた…。
みさきの前に現れた死体兵、それは亡き父・十三だった。みさきはインテグラル・システムを介して十三の意識に触れる…11年前に起こった「ケルビムの惨劇」。仲間たちが次々と死体兵になっていく中、唯一生き残った十三は情報端末から自らの出生の秘密を知ってしまい…。
遺跡のすべてを手中におさめ、グールの解放を企てるルブラン。それはこの宇宙の消失を意味する…。彼を止めるため、ライアーたちは最後の賭けに出る…。
キリとプリムの死…そして解放されてしまうグール。友が生きる宇宙を救うため、みさきは究極の手段を選択する。しかしそれは、あまりにも厳しい選択だった。
みさきが存在しない世界で、たった1人だけ彼女の記憶を残すライアー。60年の歳月を経てネストに帰って来た彼女は知る。想いは時間すら超えることを…。