俺とお前を捜しに行こう
囚われた家族と失った過去――大切なものを取り戻すため、歌士・一葉と従神・テンコウの戦いが始まる!
仙界。神仙と人間が暮らすその世界は、崩壊の危機に瀕していた。その鍵を握る凶神・四凶を探し求める歌士・一葉と従神・テンコウ。二人はそれぞれの目的を秘めながら四凶を探していた。囚われた家族と失った過去。大切なものを取り戻すため、一葉とテンコウは世界中を駆け巡る――
長きに渡って読まれ続ける高山しのぶの人気コミックをもとに、歌士・一葉と従神・テンコウの戦いを描くアクションファンタジー!
(C)高山しのぶ・一迅社/ハイガクラ製作委員会
神仙と人間が暮らす仙界は、世界を支える四凶が消え、崩壊の危機に瀕していた。神々の代わりに人柱に封じられた育ての親・白豪を解放するために歌士となった一葉は、従神・てん紅と共に四凶を探して世界中を飛び回っている。舞は完璧であるが、歌はド下手なために「出来そこない歌士」などと周囲から揶揄されている一葉。あるとき、一葉は調教師の友人・羅漢が世話をした神獣・牛鬼が、その師父・武夷に騙されていると知って……。
任務により沖縄の小島に流れ着いた一葉とテンコウ。二人は彼らを見つけた島の少年・流に迎えられ、流が姉と二人暮らしをしている家に滞在することになる。流の姉は世界中を旅する写真家で、そのときも流は一人で留守番をしていた。しかし、その夜、出先から帰宅した姉は一葉たちを家から追い出そうとし、「自分に弟はいない」と衝撃の事実を口にする。一体、流は何者なのか――島に嵐が迫るなか、流が姿を消し……。
仙界を統治する仙人・八仙の上に君臨する三皇の一人である西王母・白珠龍。幼い頃に彼女は孤児となるが、安渓館で人々に囲まれ、暮らしていた。安渓館は八仙の一人・漢鍾離が運営する福祉施設で、白珠龍は漢鍾離の息子・山烏を兄のように慕っていた。ある日、病に伏せっていた山烏の母が危篤に陥るが、父・漢鍾離は家に戻らなかった。母の死後、安渓館を訪れた父に山烏は憤るのだが、父の目的は白珠龍を迎えることであった……。
瑤池宮の中庭で一緒に遊んで親交を深める幼い頃の一葉と白珠龍。いつも一葉といるテンコウのことが気になる白珠龍に、一葉はテンコウを従神にした経緯を話し始める――四凶の一柱・共工の部下の相柳を追い求め、歌士官長の孫登に連れられてミクロネシア地方を訪れた一葉。木々が鬱蒼と生い茂る森に分け入るうちに、一葉は孫登とはぐれてしまうが、偶然、目的の神殿に辿り着く。そこには一人の男が強固な封印で縛り付けられていて……。
一葉が白豪と久々に再会しているそのとき、仙界を大きな揺れが襲う。その混乱のなか、仙桃が盗難される事件が発生する。仙桃とは、歌士が出国する前に西王母に貰い受ける果実で、歌士は仙桃を口にしなければ仙界の外で活動することができない。さらに、警備の不備を理由に一葉の師・藍采和も拘束されてしまう。犯人が日本へ逃亡したことを突き止めた歌士官長補佐の峰龍井は、仙桃を掻き集め、一葉と共に日本へと向かう……。