黎明の白、未だ暁の朱を知らず
異能の歌声を生まれ持つ少年、浪巫謠。雪山に隠遁した盲目の母親の元で、苛烈な修練を積んでいた。母の野心は、息子の歌声を天下無双のものに完成させて宮廷へと送り込むこと。だが苛烈に過ぎた修練は不幸なる事故を招き、母は浪の眼前にて命を落とす。庇護者を失い、流浪の身となった浪。その異才は心ない人々に利用され欲望の道具にされるばかりで、少年の心は次第に磨り減っていく。それでも類希なる歌声はついに西幽の皇女の目に留まり、浪はかつて母が夢見た通りの栄達を掴み取る。だがそんな彼を待ち受けていたのは、為政者の慰み物として、他の楽師と生死を賭けた演奏勝負を繰り広げるという残忍な遊興だった。そんなある日、浪は西幽各地で魔剣を強奪し我が物としている大罪人「啖劍太歳」の噂を耳にする。そしてその啖劍太歳が狙う次なる獲物が、宮中に帝が隠し持つ聖剣であることも。
(c)2016 Thunderbolt Fantasy Project
異能の歌声を生まれ持つ少年、浪巫謠。雪山に隠遁した盲目の母親の元で、苛烈な修練を積んでいた。母の野心は、息子の歌声を天下無双のものに完成させて宮廷へと送り込むこと。だが苛烈に過ぎた修練は不幸なる事故を招き、母は浪の眼前にて命を落とす。庇護者を失い、流浪の身となった浪。その異才は心ない人々に利用され欲望の道具にされるばかりで、少年の心は次第に磨り減っていく。それでも類希なる歌声はついに西幽の皇女の目に留まり、浪はかつて母が夢見た通りの栄達を掴み取る。だがそんな彼を待ち受けていたのは、為政者の慰み物として、他の楽師と生死を賭けた演奏勝負を繰り広げるという残忍な遊興だった。そんなある日、浪は西幽各地で魔剣を強奪し我が物としている大罪人「啖劍太歳」の噂を耳にする。そしてその啖劍太歳が狙う次なる獲物が、宮中に帝が隠し持つ聖剣であることも。