開けてください、12の切なさの扉を…
人気恋愛シミュレーションゲーム『センチメンタルグラフティ』のヒロインたちの物語を描いたTVアニメシリーズ。ゲームで登場する12人のヒロインの1人1人を、1話完結で描いた全12話のオムニバス。ヒロインは住むところも性格も違う12人の17歳の女の子たち。ゲームではプレイヤーとして登場する主人公の少年を慕っている。少女たちが思い出の中の少年とどう出会い、別れ、どんな道を歩いていくのか、思春期の日常が描かれる。
(C)ワンダーファーム/サンライズ・バンプレスト・ディーライツ
誠林女子高の17歳、ヴァイオリンコンクールで優勝すればある願いが叶うと願掛けするが、準優勝に終わってしまう。ヴァイオリンを西海橋の上から投げ捨て、普通の女子高生になると決めた晶だがそれから謎の外国人につきまとわれてしまう。
松岡千恵は自らがヴォーカルを務めるバンドの紅一点で男勝りな性格のリーダー。あるトラウマから恋なんてしない、ラブソングは歌わないと心に決めている。あるとき、ギターの隆がきれいな女性と一緒にいるところを目撃した千恵は、それを茶化して隆を怒らせてしまう。
行くあてもなく列車に乗り込んだ琴音は、酔っぱらいに絡まれていた女子高生の七瀬優と出会い、夜行列車のボックスでピュアな愛について語り合う。失恋したばかりの琴音はピュアな愛などないと言い、優はあると思うと答える。朝、新大阪で列車を降りた優を琴音はいったん見送るが、思いつくまま優についていくことに。
病弱な真奈美は、瀬戸大橋が見える小さな病院に入院中。検査入院のはずだが、ふと聞いた医者と看護婦の会話から長くは生きられないことを悟った真奈美。中学のとき出会った少年が、詩を書く趣味を「人に夢を与えられる」と言ってくれたことが忘れられず、ポエムを書くことに没頭する。
夏穂と恭子は、リレー選手として陸上部でがんばる親友同士。部活のあと、夏穂はお好み焼き屋を営む自宅へ恭子を誘う。夏穂は大会で優勝したら店の特別メニュー『通天閣スペシャル』を食べさせてもらう約束をとりつけるが、恭子はなぜか元気がない。なんと恭子は大会前に引っ越すことを伝えられないでいた。
綾崎若菜は京都にある旧家の娘。厳格な祖父に育てられ、お茶や弓道をたしなむお嬢様である。その若菜の弓に精神の乱れがあった。祖父に命じられ、玄岳和尚のもとを訪ねた若菜は、自分の中に煩悩があるのだと悩みを打ち明ける。
山本るりかは双子の兄・昌宏の代わりにコンビニのアルバイトに出かけ、店に飛び込んできた香澄という女の子からラブレターを渡される。そこには手術で渡米すること、もう会えないかもしれないことが綴られてあった。昌宏の代わりに電話をかけたるりかは、彼女とデートの約束をしてしまう。
芸能プロダクションで数々のスターを送り出してきた田崎は、友人の沖にたき付けられて、ひとりの少女を育てることになる。ファミレスでアルバイトしていたイマドキの女子高生、星野明日香。彼女を一人前のレディにして一ヶ月後の『マイフェアレディコンテスト』で優勝させることを目指す。
保坂美由紀は、金沢で呉服屋を営む老舗の跡取り娘。兄と姉が家を出たため、祖父の期待を一身に受けて、まだ17歳だというのに勝手に見合いを決められてしまう。美由紀は見合いはしないと宣言し、友達と見合いを壊す計画を練るが、祖父は意外にもあっさり取りやめた。 その真相とは一体……。
仙台に住む永倉えみるは、通っていた小学校の旧校舎が壊されると聞き、思い出のラムネ瓶を掘り出しにやってきた。突然降りだした雨に、あわてて旧校舎に逃げ込んだえみるは、「もう帰さない」というブキミな声を聞いてしまう。
青森の高校に通う安達妙子と佐々木哲郎は小学5年生からずっと腐れ縁で、二人は今年の文化祭のクラス委員を押しつけられていた。そんな妙子の親友・千草は哲郎に片思い。内気なためアピールできない千草のため、妙子はその想いが成就するよう計画を立てる。しかし哲郎が引っ越すという話が2人のもとに届いてしまう……。
沢渡ほのかは男の子が苦手な17歳。デートといえば大学で考古学を研究する父と一緒に食事をすることというファザコンだ。男の子が怖いと思うほのかの初恋は小学生の時。今でもその少年のことを思い手紙を投函しているがほのかは小学校の頃の少年には会いたいが、17歳になった少年には会いたくないといった男に対する思いに悩んでいた。