覚醒の兆し、進化の星座(サイン)、宝瓶宮(アクエリアス)。
日々の狭間に戦いの扉が開く…。
古代から歴史の影で続いてきた少女たちの戦い、アクエリアンエイジ。ロックアーティストを目指す響太は、その戦いに必要な能力を持つがゆえに、戦いに巻き込まれていく。一方、響太の幼なじみの依子もまた隠れた力を秘めていた。自分の夢と運命、そして依子への想いの狭間で葛藤する響太。新たな戦いが今、幕を開ける!
(C)2002 ブロッコリー/フライングドッグ
高校二年生の響太は、横浜周辺ではちょっと顔の売れたストリートミュージシャン。新年を迎え、バンド仲間の伸吾・純一とともに年明けライブをしようと街に繰り出す響太と、それを見守る幼なじみの依子。だが、そんな彼らの周囲で異変が起き始め、彼らを見守る謎の影が現れる。新たな戦いが今、幕を開ける!
響太たちの年明けライブは大成功のうちに幕を閉じた。撤収作業の合間に一息いれる響太たちのもとに、雪邑未郷と名乗る一人の女性が現れる。新進の芸能プロダクション・コスモポップの社長である彼女は、響太たちをスカウトに来たというのだ。一方、ホテルの窓辺から響太たちの様子をうかがう謎の男女がいた…。
阿羅耶識の首長たるべく、弁才天として覚醒することを運命づけられたものの、平穏な日常と響太への想いを断ち切れず逡巡する依子。そんな依子を叱咤する流水子。プロのアーティストを目指してはばたこうとしている響太を前に、依子はさらに孤独感をつのらせていく。そんな時、二人の前にアイドル・杜乃カナエが現れ…。
響太は未郷に連れられ、リュウセイやカナエが出演するイベントを見学しにいくが、そこで響太は未郷の真の姿を垣間見る。いっぽう、覚醒の時が近いことを自覚した依子は響太に「もう一度歌を聴かせて」と頼む。依子の真意を知らないまま快諾する響太。しかし、会場にはいつのまにか大勢の少女たちが集まり…。
響太に対するキリコの熱中ぶりに辟易する明日見。だが、彼女の深層心理に目をつけたWIZ-DOMのユイと檸檬は、彼女をマインドコントロールして利用しようとする。深夜の公園で魔女軍団に襲われ、窮地に陥った明日見を救ったのは、マインドブレーカーとして覚醒した響太だった。敵を撃退した響太たちだが…。
カナエのバトルフィールドに引き込まれ苦戦する依子。彼女を救ったのはIJFミュージックのマネージャー・虻戸だった。いぶかる依子に虻戸は自分がマインドブレーカーであること、そして依子にサラスバティとして覚醒する素養があることを明かす。動揺した依子は家を出て、虻戸の事務所に身を寄せることにするが…。
響太とカナエのキスシーンを目撃してしまった依子は、その衝撃が引きがねとなり、サラスバティとして覚醒し、響太たちの目の前から忽然と姿を消してしまう。悩む響太をドライブに誘う伸吾たちだが、その車を檸檬が襲い、負傷した伸吾は入院することに。打ちひしがれた響太が病院のTVで見たものは…。
首長を失った阿羅耶識の祭儀場では、サラスバティとして覚醒した依子への対処を巡り議論が紛糾していた。喧騒の中、己の限界を感じる流水子。一方、響太は未郷に頼み、明日見とともに「柊の季節」撮影現場を見学する。しかし依子は別人のようによそよそしく、響太は虻戸に追い出されるようにその場を去ることになる。
依子の変貌に思い悩む響太は、流水子から助言を得ることにする。結束が崩壊しかかった阿羅耶識を統一しきれない流水子は、最後の望みを響太に託す決心をし、全てを打ち明ける。一方、「柊の季節」撮影現場では、明日見がメイド役として参加するが、依子のパワーにより倒されてしまう。するとそこに響太が現れて…。
自分の歌を依子に「つまらない歌」と言われ、深く傷ついた響太。一方、IJFミュージックに入り込んだキリコは、カメラマンの目にとまり写真撮影をされることに。緊張するキリコをアイドルとして開眼させたのは、ラジカセから流れる響太の歌声だった。それを知った虻戸は激怒し、響太たちの撮影現場を襲わせるが…。
「柊の季節」撮影現場では、サラスバティの力を利用して依子が横暴の限りを尽くしていた。そんな依子に対し、WIZ-DOMの二人は明日見に戦いを挑ませるが、依子の圧倒的な力を前に明日見は再び倒されてしまう。一方、打開策を見出せない響太はリュウセイに「今のおまえの歌は最悪だ」と言われてしまい…。
ついにデビューコンサート当日を迎えた響太たち。キリコや明日見のおかげでふっきれた響太だったが、そんな響太の眼前に弁才天に変身した依子のイメージが現れ救いを求める。「必ず戻る」と言い残して撮影現場に向かう響太。暴走しようとするサラスバティに対して、最後の戦いが繰り広げられようとしていた…。
戦いは終わった。「あなたと私、どちらも本当の私なのだから」そう言ってサラスバティを受け入れる弁才天。だが、再びひとつに戻った依子は「響太、ごめんね」の一言を残してその場にくずおれるのだった。慟哭する響太に、流水子は言う。「今なら間に合う。依子おねえちゃんを…」