不朽の名作、衝撃のアニメ化!!!
中学生の少年・蒼月潮は、寺の住職をつとめる父親と二人暮らし。ある日、彼は自宅にある蔵の地下室で「獣の槍」によって五百年間も封じ込められていた大妖怪と出会う。槍の威力を恐れて思わず協力してしまった大妖怪は、潮に「とら」と名付けられ、行動を共にすることに。かくして「獣の槍」の伝承者となってしまった少年と、いつか彼を食ってやろうとつけ狙う大妖怪の“うしとら”コンビが誕生したのだった。そして襲いくる妖怪どもを次々と蹴散らしていく彼らは世界の存亡をかけた壮大な戦いに巻き込まれていく…。
(C)藤田和日郎・小学館/うしおととら製作委員会
中学生の少年、蒼月潮は寺の住職である父紫暮と二人暮らし。ある日、紫暮に命じられるまま自宅の蔵を整理していた潮は、地下室でとんでもないモノを見つけてしまう。それは、遥けき彼方より民に恐れられ、蔵の中で五百年もの間封じ込められていたという大妖怪とその腕に突き立てられた“獣の槍”と呼ばれた霊槍だった。やがて不気味に、そして静かにバケモノが潮へ語りかける。「この槍を抜きな、小僧…」
“いつか絶対この槍で滅ぼしてやる”そう宣言した潮はバケモノに“とら”という名をつけ共に行動していた。また、とらも隙を見て潮を喰らうべく憑いていた。奇妙なコンビが誕生した最中、潮の通う中学校で旧校舎に運ばれた石の鎧が、生徒を襲うという怪奇事件が起こる。一人、また一人と石化していく生徒たち。魔の手は潮の幼馴染である麻子と真由子にも伸びていき…。
自殺未遂を繰り返し、校内では「死にたがり」で有名な羽生礼子。ある日、麻子らと展覧会に出かけた潮は数々の絵が並ぶ中、礼子像の絵に目を止める。やがて、礼子像が「死にたがり」の礼子と同一人物で道雄の一人娘だと知った潮は、笑っている絵が描きたいとモデルを本人に願い出る。しかし彼女は、近づく者に死が訪れるという曰くつきのモデルだった。
工事現場で起きた大量惨殺事件をニュースで知る潮。遺体には鋭い歯型があったことから真っ先にとらへ疑いの目を向ける。やってないと身の潔白を証明するとらだったが、妖化してまで責める潮に逆上、街へ飛び去ってしまう。追う潮は、惨殺現場で一人の老人と出会う。「餓眠様が起きてしまった」 老人の口から出た一言に困惑する潮。そして老人が持っていた一冊の本に書かれた衝撃の事実が潮を動かす――!
闇の世界に生きる符術師、鏢。かつて最愛の妻と子供を失い、自らも大きな爪跡を負った彼は、敵であるという妖怪を探し続けていた。覚えているのは暗闇から突然現れた黒いカゲ……。そんな時、香港でとらが映ったニュースを目にした鏢は、自分が追ってきた敵と信じ日本へ飛ぶことを決める。やがて対峙する鏢ととら、そして――。
夏休みに海水浴場にやってきた潮達は悪戯坊主中島タツヤと出会う。最初は気を良くしていた潮も度が過ぎた悪戯に逆上、手を上げてしまう。泣きわめくタツヤに寄り添った麻子は幼き日の昔話を語り出して――。一方、退屈を持て余していたとらは、海座頭とよばれる妖から、海に巣食い狼藉の限りをつくすバケモノ、「あやかし」を滅ぼしてもらえないかと相談を受ける。
母が妖怪たちの憎しみを買いながら今も生きている。驚愕の事実を海座頭から聞かされ、居ても立ってもいられない潮は、改めて紫暮に尋ねるも鼻先であしらわれてしまう。潮を撒いた紫暮は自身が属する光覇明宗総本山に赴き、獣の槍が潮によって引きぬかれたことを御役目様に報告する。しかし、従者であることを認めぬ者達が潮と、妖怪であるとらを滅ぼす為に刺客を送り込む。襲いかかる同胞に紫暮がとった行動とは!?
母を探しに旅に出た潮ととら。空路で北海道を目指す最中、パイロットである父を失い悲しみに暮れる少女、檜山勇と出会う。父の死は自衛隊員厚沢による操縦ミスだと責める勇に対し、バケモノの仕業だと弁解する厚沢。やがて翔び立ったジェット機内で、厚沢はかつて感じたという圧迫感を覚える。その感覚は次第に増して――……直後、潮達の眼前に現れたのは、まさに勇の父を死に追いやった「衾(ふすま)」と呼ばれた空のバケモノだった。
とらの決死の胴体(?)着陸が成功し、事なきを得た潮達は仙台市内へ。だが、間髪入れずに潮の叫びが街中に響く。なんと紫暮から受け取った旅費を全て無くしてしまったというのだ。呆れるとら、途方に暮れる潮のもとへ鎌鼬の兄弟、雷信とかがりが現れる。“あるお願い”を聞いてくれるなら旅費を負担してくれるというのだ。とある山奥の隠れ家に連れて来られた潮達だったが、2人の口から思いもよらぬ願いを聞くことに。
遠野の里で潮ととらは病弱な少女、鷹取小夜と出会う。彼女は代々、鷹取家の繁栄を支え続けている“オマモリサマ”を慰めることを強要されてきた白き髪の一族だった。やがて彼女はオマモリサマについて語りだす。それが棲みつくところ富があり、権勢あり。それ去る家、災いと貧困が訪れると。そしてその者の本当の名は――。
鎌鼬の隠れ家で旅支度を整えていた潮。静かな夜を迎えるはずだったが、庭先の水鏡で何かを叫び続ける麻子を予見してしまう。鎌鼬兄弟が知る、「雲外鏡」に助けを求めるが…。一方、理由もなく潮が学校に来なくなってしまったことで麻子には持ち前の元気が無い。そんな様子を見かねた真由子は両親が旅行で出払っている間、昔のようにお泊り会をやろうと誘う。趣味で買った父の銅鏡が騒動を巻き起こしてしまうとは知らずに…。
遠野を離れ、北海道へと再び歩み始めた潮ととら。だがその道中、妖たちが潮の母の名を口にしながら次々と襲い掛かる。訳が分からず応戦せざるを得なくなった潮はとらと離れ離れに―――。やがて逃げ込んだ森の中で、潮は河童に出会う。他の妖とは違い、戦いを好まぬ河童に何故母が恨みを買っているかを問う潮だったが…河童は母のことを語る前に「白面の者」という妖怪について口を開くのだった。
執拗に追う妖怪たちに防戦一方の潮は河童から母の話も聞けぬまま森の中を逃げ続けていた。やがて、周囲に霧が立ち込め……潮の眼前に巨大な屋敷が現れる。門が開きどこからともなく降ってくる声。「蒼月潮、中に入るがよい…」 その言葉に恐る恐る足を進めた潮は、声の主と対面する。そこにはかつて小夜に慰めを受けていたオマモリサマと「山ン本」と呼ばれた東の妖を束ねる長が鎮座していた。
ついに旅の終着点である北海道に辿り着いた潮ととらは少女、「関守日輪」と出会う。同時にうしおらに襲いかかる「婢妖」と呼ばれた白面の分身体。だが、婢妖を一蹴したのは潮ではなく法櫛を巧みに操った日輪だった。日輪は、潮は単に槍に助けられただけの力無き存在であって、力があればこれまで潮が見てきた惨状は避けられたと叱責、自身こそ獣の槍を持つに相応しいと言い放つのだった。
旭川に向かう観光バスが婢妖に乗っ取られてしまい操縦不能の暴走バスに…! それに乗り込んでいた潮も婢妖に憑かれ身動きが取れない。そんな中現れたのは獣の槍伝承者の「秋葉流」ととらだった。流らの協力で暴走バスを止めることに成功した潮は共に旭川へ行くことに。しかしその道中、伝承者の一人「杜綱悟」を兄に持つ「杜綱純」率いる黒いライダースーツの集団が潮たちに迫った!
婢妖に体を蝕まれ苦しむ兄、杜綱悟を救いたいと願う妹の純。そんな純に同調し、雲外鏡を通じて東の長、山ン本に彼を救う手立てはないのかと問う潮だったが、山ン本からは杜綱の体内に入り込み直接婢妖を葬るしかない、というとんでもない策を告げられる。同時に杜綱の体内にいる間は潮自身の体も蝕まれていくという代償も伴うと山ン本は続けたが…。
杜綱悟を婢妖の悪手から救い出すことに成功した潮ととらだったが、その代償はあまりにも大きかった。ただそれは翔るのみ。ただそれは襲うのみ。自我を失い潮自身が獣と化してしまうという最悪の事態が起こってしまう。神が眠る地とされるカムイコタンをただひたすら目指す、かつて潮だったモノ。遠のく意識の中で潮は彼に出会う。血の涙を流しながら怨念の炎を燃やす、「ギリョウ」という青年と。
霊体「ジエメイ」に導かれカムイコタンに集結した麻子たち、そして潮の父紫暮をはじめとする光覇明宗の面々。紫暮は、獣化してしまった潮を元に戻すためには、須磨子の櫛で潮の魂に触れたことのある麻子らそれぞれが髪を梳かねばならぬと続けた。だが、獣の槍破壊の為に向けられた白面の刺客、婢妖の大群も槍を持った潮目掛けてカムイコタンに集まりつつあり、事態は最悪の状況に――。
自我を取り戻した潮は獣の槍の導きでカムイコタンの洞の中へ――。だが酷使し続けたその体は既にボロボロになっていた。そんな潮を見かねたとらは潮と共に洞の中に行くことを決意する。常闇の先で待ち受けていた巨大なお堂の中へと足を進めた潮ととらが見たものとは――!? そして、そこへ突如現れた時間の紐を過去へと手繰る妖「時逆」が潮たちをとある場所へいざなうという。そう、獣の槍がつくられた時、場所へと――。
時を遡り、古代中国へとやってきた潮ととらは、王宮の間で白面の者と対峙した。圧倒的なその力に慄然する潮、とらすらもその歯牙にかけず、一瞬でジエメイらの両親を葬り去る。やがて、うしおととらをあざ笑うかのように平和な都を一瞬で地獄絵図へと変えた白面の者は空を翔け去ってゆく…。白面の者を滅ぼせるものなど居ない…絶望に打ちひしがれた鍛冶師のギリョウを見ていたジエメイは…!
長き旅を終え、東京に戻って来た潮に日常が訪れる。嬉しそうに出迎える麻子、真由子、クラスメイト達、そして教室の懐かしい空気…。そんなある日の下校途中、潮は一人の少年を助ける。少年の名は引狭霧雄。だが霧雄は、「これがずーっとお兄さんが続けてきたことだね」と、不可解な一言を残し去っていく…。時を同じくして、霧雄光覇明宗総本山が、白面の者の使い、“くらぎ”に襲撃される事態に。潮は父紫暮の招致で総本山に赴き、獣の槍を振るって戦うが、くらぎが展開する強力な結界に苛まれ全く攻撃が通用しない。そこに現れたのは――!?
日崎御角が絶命したことで光覇明宗には波紋が広がりつつあった。一方、亡き御角を想い自室で力の無さを噛みしめる潮。自分を責める潮などかつて見たことがない…そんな潮を見かねたとらは自流の激励でなんとか潮を持ち直させるが…霧雄は機とばかりに光覇明宗の僧たちを煽動する。獣の槍なんかに頼らずとも皆が使え、量産が可能なエレザールの鎌こそ認めるべきだ、と。やがて、光覇明宗の僧たちを従えた引狭霧雄が潮らのもとへやってきた。そう、獣の槍をその手中へ収めるべく…。
霧雄出生の秘密が隠された洋館、囁く者達の家にやってきた潮ととら、そして流、日輪。西洋魔術で造られたという奇怪な生物を倒しながら、辿り着いた炉の間……! 潮の眼前には、今まさに獣の槍を無き物にせんと霧雄とそれに従する光覇明宗の僧たちが待ち構えていた。しかし、潮達を阻止するべく木偶のEMETH、霧雄を守るために作られたというホムンクルス九印が立ちはだかる。そして、裏で全ての糸を引いていた黒幕の姿も……。潮は槍破壊を阻止することはできるのか!?
とある日曜日、前日の暴飲暴食から潮はお腹を壊し寝込んでしまっていた。そんな潮に呆れたとらは、ふと真由子を思い出し彼女の元へ。一方で、いつも通うブティックからのディナーパーティの招待状が届いていた真由子は大喜びで支度を始めていた。喜ぶ真由子を余所にやってきたとらは、その招待状を手に取る…。すると、とらは招待状の主が“たゆら”、そして“などか”という、人間に興味を持ち甘言で誘い込む妖怪だと感知する。しかし、勢い良く家を飛び出していってしまった真由子…。先に待つであろう妖怪に真由子が手にかかったら後で潮に殺されかねない…そんなとらがとった行動は――!?
とらと喧嘩を繰り広げるいつもの朝、そして麻子と学校に通ういつもの日常を迎える筈だった潮。しかし、突如としてHAMMR(ハマー)機関と呼ばれた謎の組織がその日常を破壊する。容赦無い彼らのやり方はあっという間に潮の手足の自由を奪う。麻子の自慢の空手も歯が立たない。そしてキルリアン振動機という対妖怪用の兵器まで用いたHAMMR機関はとうとうとらをも捕獲してしまう。そして怪しい微笑を浮かべる3人のマッドサイエンティスト達……。HAMMR機関の目的とは一体……!?
白面の胎動は妖の災害を引き起こし、それを取り巻く人間らにも大きな影響を及ぼしていた。そんなHAMMR機関内で目覚めてしまった白面の体組織の猛攻に大ピンチの潮。そこに駆けつけたのは捕獲されていたはずのとらだった!! うしおととらの最強コンビは白面の体組織を追い詰めるが、白面の体内には麻子の友人である西洋の妖怪、バルトアンデルスが取り込まれておりトドメの決定打を出すことができない…。万事休すかと思われたその時だった。麻子の行動で心動かされた3博士の一人、ヘレナ=マーコフが妖に対し――!?