前作を凌ぐスケールで送る星界シリーズ第2弾!
今、壮大な戦いの幕が上がる!!
宇宙の半分を支配する「アーヴによる人類帝国」に対し、「人類統合体」を中心とする他の星間国家が戦争を仕掛けてきた。ジントは星界軍の翔士となり、ラフィールが艦長を務める突撃艦に配属される。しかし、二人の直属の上官は、以前やむをえず殺してしまったフェブダーシュ男爵の妹アトスリュアだった。
(C)森岡浩之・早川書房 (C)サンライズ
アーヴによる人類帝国は、人類統合体への大規模な反攻作戦を開始した。そんな中、主計修技館を卒業したジントは、ラフィールが艦長をつとめる突撃艦バースロイルに赴任する。慣熟航行を終えたバースロイルは人類統合体への大規模な反攻作戦の戦列に加わるべく、星界軍の拠点・ヴォベイルネー鎮守府を目指す事に……。
人類統合体に対し、旧領回復を目的とした幻炎作戦を発動したアーヴ帝国。スポール提督率いる幻炎第一艦隊は、敵宇宙要塞を撃破してアプティック星系内に進む。アプティック星系で哨戒の任に就くこととなったバースロイドだが、突撃隊司令アトスリュア百翔長は、3年前にラフィールが殺したフェブダーシュ男爵の妹だった。
ダクルーで休息していたジントの元に、アトスリュアが現れる。兄のことは恨んでいないと言うアトスリュアだが、それでもジントの警戒心は晴れないままだった。そんな中、バースロイルは正体不明艦の迎撃を命じられる。緊張するジントとは反対に、艦長として初の実戦に挑むラフィールは、逸る心を抑えられずにいた。
アプティック門から平面宇宙に進入したアーヴ軍は、敵の威力偵察だった時空泡群の追撃を開始した。攻撃力も防御力もアーヴ突撃艦を上回る敵巡航艦に、苦戦を強いられるラフィール。激しい戦闘が続く中、敵の電磁投射砲がバースロイルの一角を貫き……。
初陣で傷ついたバースロイルは補修に回り、翔士たちは束の間の休暇を楽しむ。その頃、幻炎作戦は新たな局面を迎えていた。それによってアプティック防衛艦隊の指揮官に派遣されたのは、“華麗なる狂気”という異名を持つ、ビボース一族の兄弟だった。
ジントはアトスリュアから、共に兄の誕生日を祝おうと誘われた。彼女の兄は、以前ラフィールがやむを得ず手にかけた前フェブダーシュ男爵。死者の誕生日を祝うという弔いの晩餐に、ラフィールは出席することを決める。会食の席で、ラフィールはアストリュアに、自分を恨んでいないかと問いかけるが……。
平面宇宙内の移動速度は、時空泡内の質量に反比例する。そのため、戦闘で時空泡内に大量の浮遊物を抱えたバースロイルは、同じ状況の僚艦セーグロイルと共に、本隊から遅れて帰還することになった。しかしその途中で敵の奇襲を受け、セーグロイルは大破してしまい……。
敵・人類統合体の狙いが、アプティックと確定した。来たる決戦を前にして、突撃艦バースロイルのクルーたちには、束の間の休息が与えられた。それぞれの時間を過ごしていくジントたち。そして、決戦の日がついに訪れる……!
ラフィールの所属する突撃艦隊は、味方の艦隊が到着するまでの間、独力でアプティック門を守らなければならない。一時的に臨戦態勢が解除され、休息を取るジントとラフィールは、アーヴの三つの生き方について話し合う。やがて、敵機雷群が次々と門からわき出してきて……。
人類統合体の機雷は、複数の小型機雷に分裂する新型の機雷だった。新兵器による執拗な攻撃の前に、アプティック防衛艦隊は苦戦を強いられる。機雷に囲まれた僚艦キドロイルの支援に向かったバースロイルだが、キドロイルは機雷の直撃を受けて爆散してしまい……。
アーヴ艦隊は、進軍を開始した敵艦隊に対して格闘戦を仕掛ける。僚友の死を目撃して気落ちしていたラフィールだが、アストリュアの指揮を受けて、自軍を上回る数の敵艦隊を相手に勇戦する。しかし、敵艦の主砲がバースロイルを目掛けて発射されて……。
集中砲火を受けたバースロイルは、戦線離脱を余儀なくされる。退艦の指揮を任されたジントは取り残された負傷者の救助に向かうが、その途中で爆発に巻き込まれ、通信を途絶えてしまう。それを知ったラフィールは、ジントを探すため、爆発間近のバースロイルに残ることを決めて……。
スポール提督の強引な蹂躙戦の影響で戦況が混乱するが、本体の左翼と右翼の艦隊が到着すると戦況が一変し星界軍の勝利は決定的なものになる。救命莢でバースロイドから脱出したジントとラフィール。昔の夢を見ていたジンとは思う、自分は何者なのだろうと……。