闇を切り裂く金色の牙
炎の運命は俺が継ぐ!
国王の側近が大規模な「魔女狩り」を行った。しかし、被害に遭ったのは魔戒騎士や魔戒法師たちだった。一人の魔戒法師が、火刑に処されながら赤ん坊を産み落とす。それは、黄金騎士の血を引く者。魔戒騎士の父によって命を救われた赤ん坊=レオン・ルイスは、少年へと成長していた…。今や国の実権は、かつての国王の側近が握っていた。国王の父は病の床に臥せ、母と共に国を追われた王子アルフォンソ。彼は国を取り戻し、民を救うため、伝説の光の騎士を捜し続ける。レオンとアルフォンソ――二人の少年をめぐり、物語が動き出す。
(C)2014「炎の刻印」雨宮慶太/東北新社
とある王国で大規模な魔女狩りが行われていた。そして、一人の魔女が火刑の最中、赤児を産み落とす。その時、一迅の風と共に現れた銀狼が業火の中から赤児を救い出す。それから時は流れ…。
17年の時を経ても魔女狩りは続く。目的は守りしものを絶やすこと。しかし、いつしか欲に囚われた人間は自身が魔となり人を喰らい続けた。成長した赤児は「黄金騎士」となり、父と共に宿敵がいる地を目指していた。
未だ己の炎を克服できないレオン。そんなレオンにヘルマンは、ある高名な法師の元に、約束のものを取りに行くと告げる。母アンナから託された其れは、必ずやレオンの力になるはずだと。そんなレオンを追う影がひとつ。
母の仇が待つサンタ・バルド城を目指すレオン。その胸には未だともすれば燃え盛る復讐の炎が。そんな道中、立ち寄った村でいつもの如く一夜のロマンスを求めるヘルマン。しかし、その村にはよそ者を寄せ付けない秘密があった。
伝説の光の騎士を探すアルフォンソ。その眼前に突如現れた謎の騎士。もしやこの人が伝説の光の騎士では? アルフォンソは彼を追い、とある廃聖堂に辿り着く。そこで謎の騎士の口から語られる衝撃の真実…。
ついにヴァリアンテ領地内へと足を踏み入れたレオンとヘルマン。情報収集のため、城下町へ。そこで出会った武器職人から現在のサンタ・バルド城と黒の騎士団の噂を聞く。そして、その武器職人の息子もまた騎士団にいるのだと。
更なる情報を求め二手に分かれることにしたレオンとヘルマン。そんなレオンの眼の前に、漆黒を纏う騎士が現れ対峙する。激しい戦いの末、意識を失うレオン。次に目覚めた時、レオンは自分が何者なのか思い出せずにいた。
サンタ・バルド城内の情報を求めレオンと別れたヘルマンは、いつもの如く聖なる営みの為、街へと向かう。その途中、悪党に追われる一人の女性イレーネを助ける。お礼をしたいと申し出るイレーネを前にヘルマンは一大決心をする。それが思わぬ事件へと発展するとも知らずに。
魔戒騎士ラファエロの元でホラーを討滅する騎士としての修業を積むアルフォンソ。日々の修業の成果が少しずつ見え始めたある日、修業の仕上げとして強大なホラーの討滅を命じられる。オルビエンに向かうアルフォンソ。そこで運命とも言うべき出会いを果たすことに。
ヘルマンがかつて友と呼んだ男ベルナルド・ディオン。遠き日、共に過ごした懐かしい時間。ロベルトとベルナルド、そしてアンナ…彼らの身に何があったのか? そして語られる宿敵メンドーサの過去。それぞれの想いが交差する時、哀しい物語が幕を開ける。全ては守りし者であるが故。
暗黒に身を委ねてまでも友との決着を望んだベルナルド。彼に敗北したことで己の未熟さを痛感したレオン。再戦を望むもヘルマンはそれを制し、変わり果てた友と言葉を交わす。しかし暗黒騎士なったベルナルドはあくまでも戦うことに執着した。行き場の無い想いを胸に、今銀狼が吠える。
ついに宿敵メンドーサと対峙するレオンとアルフォンソ。母の敵メンドーサを前に復讐に捉われ、己の中の炎を制御出来ず暴走を始めるレオン。しかしその一方でメンドーサの企て通り、魔界から暁月の巨大ホラー「ブラッドムーン」が召喚されてしまう。果たして二人の運命は。
前半ストーリーを振り返ると共に、キャストによる作品紹介などで構成する特別番組。
己の戦う理由、その全てを失ったレオンは生きる光すら見出せなくなっていた。ひどい傷を負い死んだ様に眠るレオン。目覚めると傍らで微笑む少女がいた。少女の名はララ。流れ着いたレオンを助けたのだという。少女は問う「旅人さんはどこから来たの?」。レオンは答える「俺なんかを何故助けた…」と。
王宮の朝は早い。ヴァリアンテ王に代わりその公務をこなすアルフォンソ。しかしその堅苦しい執務は若いアルフォンソには些か退屈の様子。そこに舞い込む盗賊討伐の依頼。魔戒騎士としてではなく、ヴァリアンテの王子としての命により、盗賊騎士ガスパールを討つべくラビエラへと向かう。そこに待ち受けていたのは?
レオンの暴走が引き起こした大火の傷跡がやっと癒えつつあるサンタ・バルド城下。そこでは街を救った伝説の光の騎士に力添えをと決起した職人たちの姿があった。その中心には、かつて武器職人として名を馳せたジョルディの最後の弟子フリオの姿があった。自分たちの街は自分たちの力で守る。その決意を元に今、世紀の発明が!?
どんな病もたちどころに治すという天才医師ファビアン。しかしその腕とは裏腹に商売っ気はなく、来るものを拒まず慈善にも似た診療を続ける。ある時、ヒメナが難病に倒れてしまいファビアンの元を訪れる。たとえ天才医師であっても治すことが容易でないその病気を前に、漢ヘルマンはある一大決心をする。
平和な村に訪れた冬。無事来年に蒔く種もみも蓄えられ、レオンとララの家族は静かに春を迎えようとしていた。そんな村にアルフォンソが訪れる。ホラーの気配を察したからだという。久しぶりの再会、積もる話。レオンとアルフォンソはお互いの気持ちをぶつけ合うのだった。
ララを失ったレオン。突如村を襲ったホラーに成す術なく、己の無力さを痛烈に実感する。そして内側に潜む憎悪と復讐の囁きに苦悩するのだった。一方、メンドーサに協力しろという不可解な指令を受けたヘルマンは、ヒメナの元を離れる決断をする。
エマがずっと探していたもの、それはかつての仲間であり、夫であった。変わり果てた彼との間にある深淵は、ふたりが過ごした日々積み重ねの裏腹でもあった。そこに横たわる想いとは…。死を覚悟した戦いが始まる。
サンタ・バルド城に戻ったレオンとエマは、アルフォンソと共にヘルマンの真意を探るべく城の地下へ。一方、オクタビアは未だ侍女長として城に仕えていた。そんな彼女を慕う新米侍女ラウラ。そんなラウラに自分の過去を重ねるオクタビア。そこには悲しい物語があった。
地下神殿に何かがあることを突き止めたレオンとアルフォンソ。その眼前に立ちはだかるヘルマン。彼は言う、交わす言葉は意味を成さない、ただ剣で語れと。斬り結ぶレオンとヘルマン。ガルムの勅命に従うヘルマンの真意をはかる為、レオンは自身の全てをぶつける。
神殿の地下深くで封印を解かれようとしている巨大ホラー「アニマ」。メンドーサの思惑。空を覆うガルムの巨大魔導兵器。月は欠け、アニマ復活を目前にそれぞれの思いが交錯する。
ヘルマンの相棒、魔導具ジルヴァの導きでメンドーサへと迫るレオン、アルフォンソ、エマ。その前に立ちはだかったのは魔獣装甲でその身を覆ったオクタビアだった。強大な力で三人を圧倒するオクタビア。エマの機転により、最深部へと一人進んだレオンは、守りし者としてメンドーサを討滅すべくその剣を振るう。
光を闇が覆い隠す時、積年の想いが成就する。そして、ついにその姿を見せた巨大ホラー「アニマ」。怯むことなくその剣を振るうレオン。今なら分かる、守りし者としての永遠が。その想いを明日に繋ぐ為、メンドーサとの決戦に臨むレオン。刹那、発動する半身に刻まれた炎の刻印。そして遂に刻印の真の意味が明かされる。