「東京タワー、あれ僕にくれない?」
“前世の記憶”が輪を動かし始めた!
日渡早紀の人気少女コミックを「うる星やつら」のやまざきかずおが監督したSFファンタジー。内気で優しい高校生・坂口亜梨子。ある日彼女はマンションの隣人である小学生・小林輪を過ってベランダから突き落としてしまう。それをきっかけにして、輪は前世の「月の記憶」が覚醒してしまい……。
(C)日渡早紀・白泉社(花とゆめ)/フライングドッグ/PRODUCTION I.G
植物の気持ちがわかる女子高生、亜梨子。ある日、彼女はマンションの隣人の小学生・小林輪を過ってベランダから突き落としてしまう。輪の回復を必死に願う亜梨子の祈りが強力な送信テレパスとなり、輪は前世の記憶を覚醒する。同じ頃、亜梨子はクラスメイトの小椋と錦織が共有して見ている“月の夢”の話を聞く。
覚醒した輪は、東京タワー改築工事に細工を施すため、工事責任者の息子タカシと接触する。一方、亜梨子が月の夢を見た話を一成と迅八にしたことをきっかけに、月の仲間捜しが始まった。新たに「柊」と「繻子蘭」の生まれ変わりの土橋大介、国生桜とを加えて集会を開き、彼らの夢の断片が共通の記憶であることを確信する。
東京タワー改築用の新しい図面を渡すため、工事責任者の息子タカシを呼び出す輪。だが、そこに現れたのは田村だった。その後、月の仲間の集会に参加した輪は、自らを「秋海棠」と名乗り、亜梨子の覚醒を試みる。そして本当の秋海棠である春彦を呼び出し、前世の凄惨たる過去が明らかになる。
輪の前世である紫苑との邂逅以来、ショックで寝こんでしまった春彦。だが、彼が前世で紫苑にした仕打ちは償いきれるものではなく、ついに川に身を投げようとするが、偶然通りかかった一成と桜に救われる。一方、田村は輪と対決することを決意し、知人のエスパー「未来路」に助けを求めるため、京都に旅立つ。
輪の指示で紫苑として月仲間の集会に顔を出した春彦。そこで春彦が以前自殺を図ったことが輪に知られてしまう。また、田村に協力するエスパー未来路の存在も輪の知るところとなり、輪は決着をつけようと、京都蓮明寺に田村と未来路を呼び出す。圧倒的な輪の力の前に傷つく2人。そして輪の繰り出した光球の前に春彦が…!
未来路、春彦との激しいESP戦で重傷を負った輪は前世の夢を見続ける。たった1人で生き抜いてきた紫苑のかたくなな心を、開いてくれた仮親のラズロと珍獣キャー。しかしたった78日間の想い出を残し、2人は事故で逝ってしまう。3人で暮らした家で、幼い紫苑の見たサージャリムの絵はいつか亜梨子の姿と重なった。