バブル戦争から十数年後の東京。元戦場カメラマンの雑賀（サイガ）は、通信社に勤める友人から依頼された事件を追っていた。独自の捜査で、事件の黒幕に深く関わる地下の秘密倶楽部に潜入、そこで繰り広げられていた幻想と快楽の儀式を盗み撮るが、女神として文字通り舞い降りてきた少女に魅入られ、巻き込まれてしまう。

日本の経済を牛耳る天王州グループ女帝の一人娘、神楽は、度々の悪夢にうなされて目を覚ます。冷徹な母・神泉の苛めは酷く続いていた。神楽は、神泉の側近・水天宮へ、何ひとつ自由にならない自分の気持ちを打ち明けるが、秘密倶楽部支配人である水天宮は、金だけが人を幸せにするのだと語る…。

秘密倶楽部の儀式に巻き込まれ、重傷を負ったサイガ。が、謎の力がこみ上げて傷は塞がり、カメラのシャッターを切ったその時、ファインダーの中の全てが吹き飛んだ。反撃の銃乱射の衝撃で建物外壁が崩れだす。そこから女神を助け出し、海へ出たサイガのもとへ、倶楽部支配人である水天宮が追っ手としてやってくる。

自宅へ連れ戻された神楽は座敷牢に入れられる。外の世界へ逃げ出したいと強く思う神楽は、崩壊する秘密倶楽部から自分を連れて逃げてくれたサイガを頼り、再会したいと願う。一方、崩壊事件で賑わう世間の裏では、真相を知ってしまった外部者であるサイガを抹殺するため、倶楽部の構成員たちが蠢きつつあった…。

ゴムユーフォリアである秘密倶楽部VIP会員・白金との戦闘に辛くも勝利したサイガは神楽を連れ出した。電車を乗り継いで、隠れ家のショーパブに向かうふたり。パブのオカマ達に絆され、ステージへ出た神楽が歌いだすそのとき、刺客であるダイヤモンドユーフォリアの小金井が嫣然と微笑みながら現れる。

小金井との戦闘中、サイガと神楽は通りがかったトラックを強奪して逃走。迫りくる小金井と倶楽部構成員達に追われ、事態はカーチェイスに転じてしまう。ついに神楽を捕らえた小金井には、水天宮を裏切り、自分の取引をするという策略があった。小金井に怯え、助けを求める神楽のところへ、間一髪サイガの奇策が届く。

取引に失敗した小金井を、水天宮は抹殺した。一方、サイガを探す警視庁特務課・銀座は、関連すると思わしき事件が抹消されつつあることを不思議に思い、独自の捜査を始める。その頃サイガと神楽は伊豆方面へ向かっていた。訪問先の診療所で元軍医・両国から語られたのは、神楽があと数ヶ月の命という衝撃の事実だった。

東京湾の巨大タンカー内に存在する実験施設を視察する水天宮。そこでは神楽の体液にまつわる秘密実験が繰り返されていた。また倶楽部構成員・辻堂達はついにサイガ達の行方をつきとめ、彼らの逃げ場所である両国診療所に歯のユーフォリアである溝ノ口を送り込む。急襲されるサイガに打開策はあるのか?!

ただの噂と思われていた「秘密倶楽部」が本当に存在することを知った銀座は、独自の捜査を続けることを決意する。一方、山を爆破して急場を凌いだサイガは、両国に神楽の血液検査を依頼し、神楽が行きたいという別所温泉へ向かう。そこには神楽が隠し持っていた写真に写る、神泉と謎の男との関係が秘められていた。

サイガを追うべく意を決した銀座は、神泉と会うために天王洲グループビルに突撃する。その頃サイガと神楽は、旅館の女将から謎の男・小田原について聞き出し、記されていた廃研究所に侵入。そこには、何かの実験の残骸と思われる得体の知れない獣骨や巨大な水槽が点在していた。そこへ水天宮がやってきて…。

水天宮との戦闘中に燃え落ちた廃研究所。ひとり取り残された神楽のところへ、母・神泉の危篤という報せを持った銀座が乗り込んでくる。銀座と共に急ぎ自宅に戻った神楽だが、「病気」という理由のもとに、体液摂取のための研究施設に閉じ込められてしまう…。

語られる神泉の過去と真実。彼女の体はかつてひとりの医者による整形技術の粋をこめて作られたものだった。水天宮と神泉が結婚すると知った神楽は、捨て身の行動で、隔離された研究施設から逃亡。水天宮が神泉に放つ力をその目で見てしまう。一方、銀座のもとに現れた刺客、百合ヶ丘のユーフォリア能力とは一体…?!

水天宮の左手の痣は、神泉の整形を請け負った医者・小田原の左腕と同一のものだった。水天宮は神楽と結婚して天王洲グループの全権を握るため、神楽を拘束する。そして、「写殺」能力と体の異常についての秘密に触れ、神楽を追おうとするサイガ。引き止める銀座に、刺青のユーフォリア・百合ヶ丘が迫り来る。

水天宮と神楽の結婚式のため、莫大な金額を使ってわずか一週間で建設された教会。神楽奪還のため、マスコミが集まる結婚式の現場に乗り込んだサイガを、体に通電させることを楽しむ狂気の神父が出迎える。そんな中、研究施設で進行していた、神楽の体液の培養研究・生産が成功したという知らせが届く。

あてどなく逃亡を続けるサイガと神楽。神楽の体調は悪く、サイガは無闇に焦る。辻堂は水天宮の命を受け、水のユーフォリアである弦巻ミハルを彼らのもとに向かわせていた。山奥の滝を目前に、サイガの車が異常な霧に包まれる…。

神泉亡き天王洲グループが開発した、女神の雫入りの商品が世間市場を独占。政治家達と秘密倶楽部再開について談を重ね、現金の回収に余念がない水天宮の、真の目論見とは…？　一方その頃サイガは、かつての戦場の思い出を神楽に話し始めていた…。

語られる水天宮の過去。幼い頃の思い出、戦場での経験、辻堂・新治・真壁との出会い。水天宮が天王洲グループに関わることとなった動機とは？また、秘密倶楽部設立の本当の理由。そして、水天宮の体に起こる異変…。

神楽の体液を混入した天王洲グループ印の商品が世間にはびこり始める。一方サイガと神楽は、両国医師の助けにより、秘密倶楽部の存在を世に暴く計画を目算する落合議員と接触。彼らの計らいにより、安全な場所に匿われる二人だが、その関係は微妙に軋み始めていた。

元ジャーナリスト・落合議員からの思いがけぬ提案に迷うサイガ。安全が確保されることと引き換えに、変わり始めるサイガとの関係に悩む神楽。そんな中、サイガは、夜の街でジョーという男と出会う。

若きジャーナリスト・ジョーの計らいによって、落合議員の秘密を知ることとなったサイガ。そして、「白い鷲の会」の本当の姿とは如何に。サイガから引き離され、隔離された神楽に対して、西谷教授は思わぬ行動に出る。また一方、真実を知ろうとする銀座にも魔の手が忍び寄る。

戦闘を辛くも脱出したサイガの脳裏に悪夢がよぎる。その頃神楽は、彼女を女神と呼ぶ首相とともに食卓に座っていた。一方、意外な敵に惑わされ衝撃を受けた銀座は、倶楽部への立ち入りを決意する。

神楽を助ける為、サイガは首相官邸へと走る。三つ巴の戦闘の中、再び語られる水天宮の過去。そして、傷つき、なお立ち上がるサイガを助ける為、神楽は決断する。

戒厳令がひかれ、国家としての機能を失う日本。 神楽は、水天宮と共に現金600兆円が積まれた天王洲ビルにいた。 逃げ惑う人々を見て、サイガにかつての戦場カメラマンとしての気持ちが蘇る。

終焉へと止まる事のない事態に、それぞれが決着をつけるべく、天王洲ビルへと集う。神楽が、サイガが、水天宮が、炎の向こうに見出す運命はいかなるものなのか？