生き残れ。
爆殺遊戯(BTOOOM!)の幕が上がる――
22歳、ニート。坂本竜太は、世界的に流行しているネットゲーム『BTOOOM!』に没頭し、世界ランカーとしてゲーム世界を謳歌していた。しかしある日目覚めると、そこは絶海の孤島。左手には緑色のチップが埋め込まれ、カバンの中にはBIMと呼ばれる爆弾。直前の記憶を失い戸惑う坂本に襲いかかる、見知らぬ他人。「この爆弾で殺し合いをしろっていうのか? リアルで『BTOOOM!』をやれってことか!?」 爆殺遊戯の幕が上がる――。
(C)井上淳哉/新潮社・「BTOOOM!」製作委員会
22歳、ニートでネットゲーム「BTOOOM!」の世界ランカーである坂本竜太は、目覚めると南海の孤島に連れ去られ、本物の爆弾を手に、見知らぬ他人との爆殺ゲーム、リアルBTOOOM!に参加させられていた! 戸惑う坂本に、容赦ない攻撃が襲いかかる!
ヒミコ。青い瞳に金髪の女子校生である彼女は、友人たちと普通の学生生活を送っていた。そんな彼女も、ある出来事をきっかけに島に送られてきてしまう。その出来ごとを悔やむ彼女を他所に、島でも魔の手が彼女に襲いかかる――。
滝壺で見かけた少女を追った坂本は、平と名乗る男と出会う。平から島に連れてこられた輸送機の中での出来ごとを聞かされた坂本は、この島でのルールと、自分がゲーム主催者と関わりがあるらしいことを知る。
吉良康介、14歳。家出の末に猟奇事件を起こし逮捕。「BTOOOM!」プレイヤーでもあるこの危険な少年も、誰かの手で島に送られ、同様に島に送られた暴力的な父、義久との関係に終止符を打つ。現場に遭遇した坂本との間に緊張が走る!
吉良少年との激闘を辛くも制し、平と食事をとる坂本。川を流れてきた死体(明智)を見てその殺人者を探しに川を上るが、見つけたのは滝壺で出会ったあの少女(ヒミコ)だった。坂本に襲いかかるヒミコ。「殺さずに島を出る」ことを考え始めた坂本は、どうする――。
無人島の夜。火を囲んでいた坂本たちを襲ったのは、大トカゲの群れだった。気を失ったヒミコを庇い、平が脚を噛まれる。追いすがったトカゲが襲いかかり、ヒミコを背負った坂本は、先を行く平とはぐれる。トカゲに囲まれ絶体絶命のピンチを救ったのは…!?
トカゲを退けた坂本たちだが、平の脚の負傷は重症の様子。しかし、安堵の間もなく次なる敵が現れる。ヒミコが最初に出会った一人、宮本だ。元傭兵の前に坂本は易々と退けられ、平は更なる深手を負い、ヒミコは攫われてしまう。意識を取り戻した坂本は――?
宮本は強敵だった。坂本とヒミコは、宮本たちのアジトだった巨大廃墟で夜を過ごすことにする。ヒミコは、坂本に明かさなかった自分の正体を夢に見る。しかし、長閑な夢は一条の光に破られる。眩い光の向こう、乱髪の合間に爛々と光る目の主は!?
自分たち以前のゲームの生き残り、村崎志紀と出会い、情報を得た坂本とヒミコは、朝を待って平の待つ隠れ家に戻った。そこには見慣れぬ男、伊達の姿が。医師であるといい、平を治療した伊達を信じた坂本たちは、飛行機から落とされる物資の調達に向かう。
飛行機から落とされたトランクを巡り、繰り広げられた争いの中で出会ったサングラスの男は、去り際に自分の名を呼んだ。その男は坂本の高校時代の親友、織田。坂本は思い出を振り払い、平の治療薬を探しに村崎のいる巨大廃墟へ戻ることを提案するが…。
裏切り。伊達は、村崎を利用した挙げ句、隻腕で島に取り残した男だった。坂本の死に打ち拉がれ、動けないヒミコ。襲いかかる伊達の背後に、復讐の鎌が忍び寄る! 村崎は伊達への復讐を果たし、ヒミコを守るため、伊達との決戦に臨むが…。
平清。大阪で不動産業を営む50歳。仕事では法律の狭間でギリギリのこともやった。それも全て、愛する家族のためや。妻子に会いたい。坂本はんには世話になったけど、しゃあないんや。お父ちゃん、柚彦と昭子のとこに帰るためやったら何でもするで!