巨大な大陸が一つだけある世界。
彼らの瞳が見つめる先――
それは遥か大空の彼方――
巨大な大陸が一つだけある世界。そこは二つの連邦に分かれて、長い間不毛な戦争を繰り返していた。物語は孤児院で育った少女アリソンと少年ヴィルが「戦争を終わらせる価値がある宝」を探す冒険から始まり、やがて二人の娘であるリリアと、ボーイフレンドのトレイズが活躍する話へと展開していく…。
(C)時雨沢恵一/アスキー・メディアワークス/「アリソンとリリア」製作委員会
休戦下のロクシアーヌク連邦(ロクシェ)。ロクシェの上級学校に通うヴィルの元に、幼なじみのアリソンがいきなり飛行機で現れる。アリソンはロクシェ空軍の飛行士で、夏休みをヴィルと過ごそうとやってきたのだ。街外れで、ホラ吹きで有名な老人と出会った二人。その老人は凄い宝のありかを知っているというのだが…。
何者かに誘拐されたお爺さんの後を追ってアリソンとヴィルは、飛行機で国境を越えべゼル・イルトア王国連合(スー・ベー・イル)へ侵入してしまう。敵機に撃墜されそうになりながら逃げのびたものの、飛行機が炎上してしまい、二人は助けを求めて草原を歩き始めることに。さらにヴィルが鹿に襲われ負傷してしまい…。
王立陸軍テルト基地への潜入に成功するアリソンとヴィル。奇しくもそこには、アリソンがロクシェの軍人だと知る人物が訪れていた。やがて、嘘つきじいさんが地下牢に閉じ込められていることを突き止めるアリソンとヴィル。二人は、お爺さんを連れて脱出をはかろうとするのだが、その行く手を阻まれて…。
嘘つきじいさんこと、ワルターへの想いを胸に脱出するアリソンとヴィル。二人に追いすがるスー・ベー・イル空軍少尉、ベネディクトの戦闘機。アリソンたちから「戦争を終わらせることができる宝」を探しにいくのだと聞いていたベネディクトは…。一方、宝を奪おうとするノト大佐らの魔の手が、二人に迫ってきていた…。
冬休み、イクス王国へ研修旅行にきたヴィル。そこには何とアリソンがスー・ベー・イルとの合同救難演習で当地にきていたのだ。アリソンは、ヴィルを連れ、今や「歴史的発見の英雄」として有名人となってしまったベネディクトの元に。ところが帰路、アリソンとヴィルは、猛吹雪に道を見失い小さな村に避難するのだが…。
谷の村で捕らえられてしまったアリソンとヴィル。一方、二人を心配して追ってきたベネディクトは、村でフィオナという女性と出会う。脱出したアリソンとヴィルはベネディクトと再会するが、フィオナに見つかってしまう。ところが、「私を首都に連れていって」と強く迫るフィオナにベネディクトは詳しい話を聞くことに…。
ベネディクトは、フィオナを連れて空路、イクストーヴァの首都クンストを目指していた。ヴィルを乗せたアリソン機も同行する。その途上、フィオナはベネディクトにある重大な秘密を打ち明け、そのことで二人の心の距離が縮まる。その頃、首都クンストではフォオナの目的である、議員演説会が始まろうとしていた…。
演説会の前で、フィオナは自分がイクストーヴァの王女フランチェスカだと宣言する。初めて白日の下になる王家襲撃の真相とその真犯人。フィオナを人質にとって逃げようとする犯人に命懸けで立ち向かうベネディクトに、アリソンも空から加勢する。すべてが解決したかに思えたその時、フィオナに疑惑を抱いたヴィルは…。
大陸横断鉄道の旅に出ることになったアリソンとヴィル、そしてフィオナ。ロクシェを出発した列車は、ルトニ河を渡りスー・ベー・イルへと向かう。アリソンは、途中、緑島に向って、ここで戦死したとされる亡き父のために献花をする。国境を越えた列車にベネディクトも合流して豪華列車の旅を満喫する一行なのだが…。
豪華列車の旅を楽しむアリソンたち。初日の夜、アリソンは、スー・ベー・イル陸軍所属のストーク少佐と出会う。翌朝、車掌長が襲われる事件が起きる。現場を目撃したアリソンは覆面の犯人を追うが、犯人は姿をくらましてしまう。アリソン、ヴィル、ベネディクトは、ストーク少佐の協力を得ながら対策を練ることに…。
ロクシェの軍事産業に関わる貴賓室乗客、テロル氏の元に届いていた脅迫状。ストーク少佐の提案で列車を切り離し、テロル氏と共にふもとへと急ぐアリソンたちだったが、その列車がスー・ベー・イル軍の機関車に銃撃される。憲兵隊の装甲車が現れ、ほっとしたアリソンたちに、ストーク少佐は意外な指示を出して…。
アリソンたちは、スー・ベー・イルの町、リリアーヌに到着した。翌日、ベネディクトは郊外の礼拝堂でフィオナに求婚する。二人の姿をうらやましそうに見つめるアリソン。アリソンにはずっとヴィルに言いたくて言えずにいることがあった。その時、ストーク少佐が現われ事件の報告をするが、それを聞いたヴィルは…。
空軍所属のアリソンと連邦大学に通うヴィルは、ロクシェの首都で一緒に暮らしていた。二人にとって幸せな日々が続いていたある日のこと、アリソンの父親であるアイカシア大佐が密かにヴィルの元を訪れ、“祖国を捨てなければならない任務”に誘うのだった。一方、アリソンの身には、この上ない幸せなことが…。
アリソンとヴィルの娘リリアは15歳に成長し、首都の名門上級学校3年生だ。イクス王国に住む幼なじみの少年、トレイズが遊びにやってくる。夏休み、アリソンと旅行するのを楽しみにしていたリリアだったが、アリソンにテスト飛行の任務が入ってしまう。アリソンの提案でリリアはトレイズと旅行することになるのだが…。
旅先に選んだラーチカで不穏な動きがあるとも知らず、観光飛行を楽しむリリアとトレイズ。アリソンから飛行機の操縦を教えられているリリアは、飛行士のマテオに頼み込み操縦桿を握る。しかし、遭難機かと確認にいったマテオが謎の飛行士に襲われてしまう。命からがら逃れた二人は森の中をさまようことになり…。
孤児院を営むモルソー導師のはからいで、ホテルのあるラーチカまで戻れることになったリリアとトレイズ。施設の子供たちのために催されるチャリティー遊覧飛行に乗せてもらうことができたのだ。そこでラーチカで道案内をしてくれたカルロと再会する二人。初めての飛行体験に目を輝かせて喜ぶカルロと子供たちだが…。
リリアとトレイズ、そして子供たちを乗せたチャリティー飛行艇を墜落させようとしているのは、自国トルカシア空軍の飛行士たちだった。彼らは貧しい祖国の未来のために子供たちを犠牲にしようとしていた。チャリティー飛行の裏に隠された計画を知った二人は、阻止しようと孤軍奮闘する。いよいよピンチかと思われた時…。
数々の災難を切り抜けたリリアとトレイズは、カルロや子供たちと別れ、ラーチカのホテルに戻った。その夜、トレイズの元をトラヴァスが訪ねてくる。そして、トラヴァスはトレイズにチャリティー飛行艇遭難計画の真の首謀者を明かすのだった。リリアとトレイズ、二人の夏休みの旅行は終わろうとしていた…。
冬休み、リリアはトレイズの招きを受けて、アリソンとイクストーヴァを訪ねることに。イクスでは年末年始をリリアと迎えるため、トレイズが準備をしていた。大みそかの夜、盛大な花火の下で今度こそ、リリアに自分の秘密を打ち明けようと心に決めていたトレイズ。だが、ようやく到着したリリアは疲労困ぱいしていて…。
トレイズが自分の秘密をリリアに言い出せずにいたちょうどその頃、王宮の離れでは、フィオナとベネディクトが、記録映画の撮影隊を客として迎え年越しパーティーを開いていた。だが、新年を合図に撮影隊は武装集団と化し、離れを占拠する。知らせを受け救出に向かうトレイズとリリア。彼らの正体は? そしてその目的は?
武装集団の女性リーダーは、人質のフィオナとベネディクトに、「イクストーヴァの秘宝」について教えるよう迫っていた。そんな中、トレイズとリリアは、秘密の地下トンネルを通って、離れ近くまでたどり着く。二人は、機転を利かせ建物に入り、無線機を使って助けを呼ぼうとするが、異変に気づかれてしまい…。
武装集団に捕まったリリアは、トレイズと双子のメリエル王女に間違われ、人質にされてしまう。一方、フィオナとベネディクトは、王宮の異変を察知し駆けつけたトラヴァスらに救出される。九死に一生を得たトレイズは、リリアを救出する名案を思いつくが、その作戦とは…。そして「イクストーヴァの秘宝」とは一体…。
春休み、リリアはアリソンとルトニ河口に旅行に出かけることに。その頃、トレイズはイクストーヴァを訪問したベゼル王国のマティルダ王女を案内していた。20歳までに結婚相手を見つけられなければ王女と結婚することになっているトレイズ。王女を送り届けるため、トレイズは護衛役のトラヴァスと列車に乗車するが…。
列車の故障でトラヴァスとトレイズが乗る列車に乗り換え、旅を続けることになったアリソンとリリア。車内でリリアは金貿易商の娘ヒルダを名乗るマティルダ王女と心を通わせる。そんな二人の様子にドギマギするトレイズ。そんな中、乗客に毒が盛られる事件が起こり、列車内は騒然となる。さらに、リリアが巻き込まれて…。
アリソンとリリア、トレイズと別れ、マティルダ王女と行動するトラヴァスと彼の部下たち。王女の乗る列車を襲う集団との攻防戦が繰り広げられる中、トラヴァスは今までの出来事を振り返り、犯人の本当の目的に気づく。その頃、リリアとトレイズは自分たちの身にふりかかる災難に気づくこともなく列車の旅を続けていた…。
トレイズに、大切な人を返して欲しければ、一人で追いかけてこい、というメッセージを残し、リリアを連れ去った真犯人。トレイズはリリアを助けるため、凶悪な知能犯に立ち向かう。そこで、イクス王国の王子である秘密をリリアに明かすことになったトレイズ。やがて、アリソンとトラヴァスの飛行機が救出に向かうが…。