アヤカシは力
アヤカシは呪い
幼い頃から不思議な力を持っていた少年・久坂悠は、ある日、謎の少女・夜明エイムと出会う。悠は彼女を通じて自分の持つその力が異形の力“アヤカシ”だと知る。そして、最強のアヤカシ“竜”の使い手となった悠は、アヤカシを巡る戦いに巻き込まれていく。果たして、その戦いの果てに彼らを待つ未来とは…?
(C)2007 CROSSNET/APRICOT/「AYAKASHI」製作委員会
御明市にある学園に通っていた少年・久坂悠は、幼い頃から手を触れずに物体を曲げたり折ったりすることができる不思議な力を持っていた。正体を知らないままその力を使って“手品”と称して小遣い稼ぎをしていた悠だったが、そんなある日、その“手品”に興味を示した不良青年・真田恭平に目をつけられてしまい…。
青髪赤眼の少女・夜明エイムが悠のクラスに転校してきた。彼女は昨夜、真田に襲われた悠と、彼の幼馴染み・薬師寺陽愛を助けた少女だった。だが、昨夜見せた“力”のことを話さず、ただ悠の側に佇むエイム。そんな中、突然制服のボタンが落ちたり、窓ガラスにヒビが入ったりと悠の周りで奇妙な出来事が起こり始めて…。
自らの力が“アヤカシ”と呼ばれていることを知った悠。だが、エイムはそれ以上のことを語ろうとせず、「知れば戻れなくなる」ということだけを彼に教えた。そのために、悠は独力でアヤカシのことを調べ始める。しかし、そんな悠の前に新たなアヤカシ使い、黒い衣装を身に纏った金髪の少女・パムが現れて…。
アヤカシの力を使いこなせるようになるため、悠はトレーニングを始めた。だが、エイムは悠がアヤカシの力を使うことに反対していたため、彼に協力しようとせずに「無意味」だと断言する。それでもトレーニングを続けていた中、悠は『何か』を探す少女・夏原織江に出会う。その翌日、悠たちの学園で奇怪な事件が起こり…。
悠を狙うアヤカシ使い“彼”の部下で、“ショウケラ”使いの角屋から情報を聞き出そうとする悠たち。だが、「エイムは“彼”の仲間だ」という角屋の言葉に、悠たちは混乱する。そんな中、突然襲ってきた敵のアヤカシに不意をつかれ、倒されてしまう悠。目を覚ました悠の前には、見知らぬ車椅子の男がいて…。
アヤカシ“枕返し”の力で、悠は2年前の悲劇を思い返していた。悠の幼馴染・牧原和泉は、悠の中に眠るアヤカシ“竜”の力から悠を助けるために“彼”の元で働いていた。だが、アヤカシとの共生をもくろむ“彼”は、和泉に最強のアヤカシ“竜”の使い手を捜すように命じていた。そのため、和泉は悠を隠そうとするが…。
2年前の和泉の死の真相を知った悠は、枕返しで見た記憶を頼りに“彼”の屋敷を捜すが見つからなかった。焦る悠の前に現れ、悠を諭そうとするエイム。だが、和泉を殺した張本人であるエイムの言葉が悠に届くわけがなかった。そんな悠はエイムへと竜の拳を向ける。その頃、“彼”の命令で新たなアヤカシ使いが動き出した。
堀のアヤカシ“キジムン”の力に操られたエイムが悠に襲い掛かった。エイムのアヤカシの前に悠とパムは苦戦を強いられる。その戦いの中、堀は悠に力を貸すように強要する。“彼”の本当の目的を知った堀は悠に宿る最強のアヤカシ“竜”の力を必要としていた。さらに堀はエイムがずっと隠していた秘密をも明らかにして…。
いよいよ、“彼”が動き出した。御明市を覆う霧は外界との連絡を遮断する結界となり、その霧の中を完全体のアヤカシ“デイダラボッチ”が徘徊する。街を破壊し、人々を踏み潰していく“デイダラボッチ”。陽愛もその犠牲になってしまう。陽愛の仇を取るため、人々を救うべく、悠たちはこの絶望的な敵に戦いを挑む…。
悠の前に姿を現した“彼”は、かつて車椅子に乗っていた弱々しい姿ではなかった。“彼”のアヤカシ“オロチ”は、“デイダラボッチ”を倒した“竜”の力さえも圧倒して悠に致命傷を与える。パムや織江たちの必死の抵抗で、なんとか悠を連れて逃げるエイム。だが、“彼”の攻撃を受けた“竜”は眠りについてしまい…。
“彼”の元へと急ぐ悠の前に、最後のアヤカシ使い前川彰男が立ちはだかった。姿がまったく見えないアヤカシ“ケバタケ”を操る前川に対して、悠に宿る“竜”は未だ眠ったままだった。一方、エイムは姉の夜明アキノと対峙していた。“彼”と完全に決別したエイムに対して、アキノは無数の異形のアヤカシを差し向けて…。
ついに“彼”の元へたどり着いた悠。のり子たちの血肉を啜る“彼”の姿はすでに人間ではなく全てを喰らい尽くす“オロチ”そのものだった。だが、悠にかつての恐怖はない。それを上回る怒りをもって“彼”へと立ち向かう。2年前の和泉の死…。そして、“彼”により命を落してきた人々のために悠は“竜”の力を振るう…。