「お前を殺す」
破壊工作員として地球に送り込まれた5人の少年たちの戦争
秘密結社OZ壊滅をねらって密かに地球に送り込まれた5人の少年たちの戦争。A.C.195年――地球統一連合の圧政に苦しむ宇宙コロニーは、5人の少年と5機のガンダムを地球に送り込む。パイロットのひとり、ヒイロは連合軍高官の娘リリーナに正体を知られ、彼女を殺そうとするのだが…。
(C)創通・サンライズ
5体のMSが地球へと降下。その1体であるウイングはOZのゼクスに撃墜されてしまう。外務次官の娘リリーナは漂着した操縦者ヒイロを発見するが……。
ヒイロの行動に強い興味を抱くリリーナ。一方、ヒイロはウイングの爆破を計画する。そんな時、連合の前に猛威を奮うもう1体のガンダムが現れた。
次第に互いの存在を知り始める5人のパイロットたち。デュオは連合の特別治療室に収容されたヒイロを救出。地中海ではカトルとトロワが出会う。
宇宙用MSトーラスを擁するビクトリア基地で、ゼクスは彼を慕うノイン教官と再会する。だがその夜、五飛が基地を急襲。部下を失ったノインは……。
娘リリーナとともにコロニーに向かったドーリアンは、OZの策謀により暗殺されてしまう。そしてリリーナは臨終の父から意外な出生の秘密を聞かされる。
秘密を知りすぎたリリーナを殺さねばならないヒイロ。だが学園祭の夜、OZのMSに襲われたリリーナをヒイロは無意識のうちに救ってしまう。
OZ総帥トレーズの奸計でニューエドワーズ基地に集められるガンダム。罠にかかったヒイロは連合平和主義者のシャトルを撃破。流血の時代の幕が上がった。
ガンダムせん減のため、ニューエドワーズ基地爆破を謀るOZ。ヒイロはその凶行を阻止するが、心は晴れない。一方、五飛はトレーズ暗殺に向かっていた。
OZの軍事制覇が進行する中、ヒイロとデュオは新たな任務を帯びて中国を訪れる。一方、平和主義者ピースクラフトの忘れ形見であるゼクスは、故郷サンクキングダム奪回のために完成したばかりのMSトールギスで出撃するが……。
宇宙用MSトーラスのシベリア基地輸送計画を知り、出撃するガンダムたち。だがそれはOZによる陽動作戦だった。宇宙要塞バルジの照準をコロニーに向けさせ、降伏を迫るレディ・アン。ヒイロはついにウイングの自爆を決意する。
カトルに連れられ、マグアナック隊の基地に身を寄せるデュオ。ヒイロの行動がきっかけとなり、少年たちは今後のことを語り合い始めた。また、父の仇を追うリリーナはモスクワへ。恨みの銃弾がレディ・アンの胸の薔薇を撃ち抜く!
一命をとりとめ、トロワのサーカスキャンプで目覚めるヒイロ。一方、五飛は内戦の続くブント共和国でゲリラ活動をするサリィ・ポオと出会っていた。弱者である人々が正義のために命を落とす姿が、五飛の心に戦士の自覚を呼びさます。
OZのアレックスとミュラーはノインの教え子だった。連合旧勢力の粛正と称して惨殺をくり広げる彼らにゼクスの怒りが爆発する。その頃、ヒイロの潔さに感化されたトロワは自身の死をかけたショーを企画、サーカスに臨んでいた。
ヒイロはノベンタの孫娘シルビアのもとを訪れる。自分が殺してしまった平和主義者たちの親族を訪ね、罪の審判を仰ぐ決意なのだ。だが、少年の苦悩をよそに、OZの母体ロームフェラ財団は野望実現への準備を着々と整えつつあった。
戦士としてヒイロとの決戦を望むゼクス。ノインはヒイロとトロワを連れ、ゼクスの待つ南極へと向かう。そこでは秘かにウイングの修復が行われていた。そんな折、リリーナはノベンタ夫人がヒイロに宛てた1通の手紙を受けとっていた。
完全修復されたウイングを断り、ヘビーアームズでトールギスとの決戦に赴くヒイロ。リリーナは戦いを止めさせようと、手紙を携えて合流する。だが、そこで彼女はノインから、ゼクスが自分の実の兄であることを知らされるのだった。
コロニーを連合の軍事支配から次々と解放していくOZ。そこには、天使のような微笑みを浮かべて平和を説くレディ・アンの姿があった。OZの真の姿を暴くため、少年たちは再び宇宙を目指す。
財団は無人MS(モビルスーツ)・モビルドールの導入に本腰を入れ始めた。一方、戦士としての個人的感情からガンダムと戦ってきたと悟ったゼクスはOZとの、そして友であるトレーズとの決別をはかる。
宇宙へと上がったデュオはトーラス部隊に敗れ、反乱分子としてコロニーに連行されてしまう。そんな彼を作戦の障害と考えたヒイロは、単身OZ基地に向かい、デュオを殺そうとするが……。
レディ・アンに捕らえられた5人の博士が、月面基地で2機の新型MSを開発した。それを知ったヒイロは月へ。一方、トロワもまたMSの操縦者テストに合格、OZ内部への潜入に成功する。
故郷の資源衛星で父と再会したカトル。厳格な平和主義者の父はMSで戦う息子を許そうとしない。だが、彼が心血を注ぎ発展させてきた衛星は、OZの影響のもとで軍備化の道を歩みつつあった。
ゼクスは親善大使ミリアルドの名でコロニーを訪れる。そこには、トレーズが支配者として宇宙に上がる日を夢見るレディ・アンの姿があった。しかしトレーズはそれを拒否。彼女の心は激しく揺れる。
MS量産プラント破壊のため月面基地に向かうデュオ。だが、そこに少女兵士のヒルデが立ちはだかった。ともにコロニーの平和を願う2人が敵味方として戦う皮肉に、デュオの心は痛む。
資源衝星や民間コロニーを次々と消滅させていく謎のMSが現われた。出撃したヒイロとトロワは、そこに新型ガンダム・ウイングゼロと、狂った宇宙すべてを破壊しようとするカトルの姿を見る。
暴走したカトルを正気に戻すため、自ら犠牲となって消息を断つトロワ。一方、財団はモビルドールの量産を決定。人の心を持たぬ兵器の代理戦争に異議を唱えたトレーズは自ら失脚の道を選ぶ。
トレーズを支持する一部の兵士たちが財団に反旗を翻した。OZを二分する内乱は地球と宇宙に広がっていく。その頃、ウイングゼロを回収した月面基地では戦闘データの調査が開始されたが……。
少女の見た流星がすべての出会いと戦いの始まりだった。サンクキングダム当主となったリリーナ。再び地球を目指すヒイロ。運命の再会に向かう2人の脳裏にさまざまな出来事が去来する。
幽閉のため財団本部へと護送されるトレーズ。拘束とは裏腹に開放感をかみしめる彼は、己の運命をも変えてしまった少年たちとの戦いの日々を、同志に対するものと似た感慨とともに回想する。
ヒイロとカトルが帰還した地球では、サンクキングダムのリリーナが完全平和主義を唱え、軍事支配への抵抗を続けていた。そんな彼女の学園へ、財団の血縁者である少女ドロシーが転校してくる。
トレーズ派の傭兵として戦いに身を委ねるヒイロ。その姿に疑問を感じたカトルは、単身訪れた戦火の街で平和を願う人々と出会う。そして、サンクキングダムを守ることが自分たちの使命だと気づく。
トレーズ派の負傷兵をサンクキングダムへ追い込み、完全平和の脆さを露呈させようと図る財団。ノインとヒイロはMSでの迎撃を余儀なくされる。武器なき平和はリリーナの夢でしかないのか?
完璧な勝利を生み出す過程で、操縦者に苛酷な選択を強いるゼロシステム。その可能性に強い関心を抱くOZのトラント特尉は、デュオを拉致。彼にウイングゼロの実戦テストを強要するが……。
財団は、軍事制覇の障害となるトレーズ派とサンクキングダムの打倒に乗り出した。ルクセンブルクを守るため出撃するゼクス。一方リリーナは財団本部に招かれるが、それはデルマイユの罠だった。
ルクセンブルクの古城で、トレーズから新型MSガンダムエピオンを託されるヒイロ。だが、危険なシステムが再び彼を暴走させる。その頃宇宙では、ゼクスがOZ軍からゼロを奪取していた。
自分の未熟さを感じ、故郷で修業に励む五飛。だが、突如OZ軍が製来。老師とコロニーを失った五飛は正義の怒りに燃える。そんな彼のもとに、戦いの同志を求めるゼクスが現れた。
財団のサンクキングダム攻略が開始された。リリーナと平和の理想を守るため、ヒイロたちは戦う。だが、王国の存在自体が戦争を生み出すことを痛感したリリーナは、ついに運命の決断をする。
王国の解体により、財団本部へと移送されるリリーナ。デルマイユはそんな彼女の平和的求心力を利用しようと謀る。同じ頃、王国の廃虚では、宿命に導かれるように2体のガンダムが激突していた。
平和を願うリリーナは、傀儡と知りつつも財団代表となることを承諾する。その頃、宇宙ではホワイトファングと名乗る反OZの武装市民が蜂起。また、カトルは記憶喪失のトロワと再会していた。
宇宙ではコロニーとOZの対立が激化。記憶の戻らぬトロワ、そしてデュオも戦線に復帰、カトルらとともに戦乱の終息を目指すも一方、ホワイトファングのカーンズは地球のゼクスに接近していた。
リリーナの支持者が増し、平和への機運が高まる財団。だが、宇宙では反OZ意識が頂点に達していた。ホワイトファングの新たな指導者となったゼクスは地球の排除を宣告した。
バルジ要塞でOZとWFとの攻防戦が開始された。ゼクスの真意が知りたいノインは戦闘宙域へ向かう。一方、地球では政変とともにトレーズが復活。リリーナは財団代表を解任されてしまう……。
損傷したアルトロンとともに、サリィのシャトルに救出された五飛。ヒイロの勧めでゼロに乗った彼は、自身の進むべき未来を知る。その頃、トレーズは意識不明のレディ・アンと再会していた。
コロニー市民を人質にとるOZ宇宙軍。ゼロで出撃したトロワは幻影に苦しむなか、次第に失われた記憶をとり戻す。そんな時、ゼクスはついにリーブラの主砲を発射。戦慄の光が地上を貫いた……。
戦術プログラムを施されたWFのモビルドール部隊に苦戦するデュオたち。作戦行動の必要を感じて焦るカトルに、ヒイロは今一度ゼロシステムを使いこなし、チームを指揮することを要請する。
リーブラの艦内データを入手したヒルデは、モビルドール化されたメリクリウスとヴァイエイトの追撃にあう。救出に向かうデュオだが、2体にはヒイロとトロワの戦闘データが組み込まれていた。
リリーナ救出のためにリーブラに潜入し、ゼクスと対面するヒイロ。一方、大部隊とともに出撃したトレーズはゼクスに決闘を申し込むが、彼は騎士道を否定。リーブラの主砲がトレーズをとらえる。
リーブラの進撃を阻止せんと、ピースミリオンは主砲への体当たりを敢行した。デュオたちは敵艦内へと侵入。また、五飛とノインはそれぞれの心の決着を目指し、トレーズとゼクスのもとへ向かう。
リーブラの内と外で、少年たちの最後の戦いが展開する。トレーズに決闘を挑む五飛。ドロシーと哀しみの剣を交えるカトル。博士と行動をともにするデュオ。混迷の宇宙に平和は訪れるのか……。
戦艦リーブラとピースミリオンは、ついに地球激突へ向けて移動を開始した。人類最大の危機を回避するため、必死の戦いを展開するデュオ、トロワ、カトル、五飛。一方、ヒイロとゼクスもまた、それぞれが目指す完全平和のため、互いの雌雄を決すべく、ガンダムでぶつかり合い……。